シアトルは観光都市ではないため、エンターテイメントが少ない。
ディズニーランド、ユニバーサル、ブロードウェイなんて華やかな世界は、LA, NY, フロリダの話。
年間90億ドル稼ぐと言われる世界一有名なネズミも、道ばたで写真を撮るだけで$10ふんだくるスパイダーマンも、映画に出て来る美男美女も、シアトルには生息しない。
その代わりと言ってはなんだが、ホリエモンや2チャンネルのひろゆきなどのような、おたくプログラマー、エンジニアはいっぱいいる。
そんなシアトルに来たいと日本から学生時代の友人がたまに遊びにくる。
こんな楽しくもなんともない街に来るなんて、よっぽど私に会いたいに違いないと、勝手に勘違いした私は友人がわざわざシアトルに来ても観光せず、夜にバーに飲みに行き昼は家でだらだらするという事をしていた。
その結果、日本の友人の間で
”シアトルのゆきな(私)の所にせっかく行っても、どこも連れて行ってくれない。”
という噂がたち、そのうち誰もシアトルに来なくなった。
そんな中、高校時代の同級生がラスベガスに用事があるので、シアトルに3日ほど寄りたいと言って来た。
このブログは私が”シアトルの観光親善大使”になれるラストチャンスと、はりきった3日間におよぶ戦いの記録。
1日め。
成田からの直行便で11:30AMに到着予定の友人。
いそいそと1時間前の10:30AMに空港に現れる娘と私。
実は以前に夜の12AM近くに到着した違う友人のお迎えに私は遅れて行き、その上泥酔していて、ブチ切れられた経験がある為である。
過去の過ちから学ぶ、なんともかしこい私ならではの行動と言える。
無事友人と合流してモノレールで自宅に向かう。
だがこれがなかなか大変。
なぜかと言うと、うちの娘は日本語が喋れない。(喋りたがらない。本当はできる。)
ので娘は私に英語で話しかけて来るし、友人は日本語で話しかけて来る。
これ、経験した事がある人しか解らないと思うが、日本語と英語が同時に聞こえて来ると脳が混乱するのである。
例えて言うなら、右手で習字をしながら、同時に左手でパソコンでタイプ入力をしなくてはならないほどの難易度である。
家に着くころには私の脳みそは悲鳴を上げている。
お土産の明太子と好物のロイズの生チョコ、娘へのおもちゃ、白い恋人などを受け取る。
娘のおもちゃ以外は、成田空港で出発当日に慌てて買ったのがバレバレであるが、優しい私は素直にありがとうと言った。
とりあえず近所で食事をしようと思い、
”ベトナム、タイ、アメリカン、メキシコ料理でどれがいい?”
と聞くと友人は迷わずタイを選んだ。
これ、毎度の事である。
飛行機での長旅の後、時差ボケでふらふらの中アメリカンやメキシコ料理を食べたいと言った友人はいない。
行きつけのタイ料理屋に行き、食事をする。
私 ”さあ、これから行きたいところある?”
友人 ”オーガニックの商品がある店に行きたい。日本ってオーガニック商品があんまり販売されてないんだよね。”
私 ”え?なんで?日本なんてオーガニック大好きそうじゃん。”
友人 ”そうだけど、意外とないんだよ。”
友人と話し合った結果、日本は食品にしても化粧品日用品にしてもある程度、品質が保証されているためわざわざオーガニックじゃなくてもいい。
が、アメリカはオーガニックじゃないと肉や野菜にホルモン剤、農薬等がかかりまくってたりして、それを嫌がる人々がオーガニック市場を大きくした、という結果におちついた。
オーガニックストアにつくと、歯磨き粉などを買い占める友人。
日本から来た友人がアメリカで買い物をする姿は本当に面白い。
私からすれば、なんで?というものを日本にはないからと言って買って行く。
自分のものはまったく買わずに会社の人の為にチョコやコーヒーを大量に買う友人や、スーパーでパンケーキミックスを大量に買って行く料理好きの友人、トレジョーでエコバックを大量買いして日本でオークションで売ると張り切っている友人。
買うものでその人の個性が出るのである。
今回訪ねて来たのは、美と健康に気を使う、美女。
私はオーガニックにまったく興味がないため、知識が豊富な友人にいろいろ教えてもらった。
なぜ興味がないかと言えば、高いのもあるがそれ以上にパッケージが読みづらいからである。
大手の商品に比べて箱のデザインが悪いため何の商品が入っているのか解りづらく、購入するのがめんどくさいのである。
その後娘がダックスに乗りたいというので、スペースニードルに向かう。
ダックスとは水陸両用の観光バスで陽気なバスガイドと共に1時間シアトルの街を爆走する。
普段仕事帰りにダウンタウンを走り抜けるダックスをよく見かける。
うかれた観光客がバスの上からトボトボ道ばたを歩く私に、全力の笑顔で手を振って来るので、ムカついていつも睨んでいた。
が、今回は私がうかれた搭乗者である。
街を走り抜け、道ばたの通行人にバカみたいに手を振る同乗者達。
だが道ばたのアメリカ人は快く手をふりかえしている。
普段睨みつけていた私は深く反省するのである。
横に座っていた友人は疲れて無口。
後ろに座っていた言い出しっぺの娘は、退屈で携帯でポケモンGOをしだすという$100近く払ったにしては散々な結果であった。
夜は近所のレストランで済ませ、1日めは終了。
つづく。
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