前回の続き。
前回はこちら。
山の中で自分がどこにいるか解らない。
悲惨である。
頼みの綱の携帯。まさかの圏外。
友人 ”ちょっと待った。私の携帯ネット繋がるかも。”
ごちょごちょ携帯をいじる友人。
友人 ”ほらね。”
げろ。なんとちゃんと三本以上立っている。
さすが日本の携帯。と思いきや彼女が握っているのはIPHONE。
なんでだ?
マップで目的地を調べると40分ほどシアトル方面に戻るはめになる。
どっかこの辺でちゃちゃっと行けるトレイルがないのか?と調べるがふと思い出す。
私が目的地に選んだトレイルはうちの会社の社長が行けと言った場所であった。
もし社長に ”迷って結局他のトレイルに行きました。”
と後々報告した場合、業務命令に逆らった罰として私のクビが危ない。。。
やはり社長おススメのトレイルに何としてでも行く事にする。
会社に忠実過ぎて自分でもたまに嫌になる私である。
40分ほどシアトル方面に走り、友人の携帯のナビを頼りに目的地までつく。
時刻は4:30PM。
薄暗い森林の入り口に立つと、少し怖くなって後ずさりしてしまう。
友人は横で掲示板に貼ってあった地図の写真を撮り、トレイルの行き先をチェックしている。
明らかに、私の事を信用していないようである。
とりあえず、うだうだ言っていてもしょうがないので、ハイキング開始。
どんどん山を登って行く。
登っている最中も相変わらず、話し続ける。
仕事の事。結婚の事。共通の友人の噂話(悪口ではない)。彼女の今までの海外旅行の話。
よく話題が尽きないものである。
あっという間に1時間弱で、ゴールの湖に着く。
レークタパス
第一印象。
なんか。。。怖い。。。
静かすぎる。静か過ぎて雨が水面を打つ音が聞こえて来る。
もののけ姫の神様が水に吸い寄せられて来るシーンを思い出し、さらに怖くなる。
私は映像力に関しては、人一番才能がある。
ひとたび、目に”もののけ姫レンズ”入ってしまうと、現実の景色がアニメの世界とドックングしてしまう。
湿った土を歩くたびに、目の前にはこだまが目の前をおしりをプリプリさせながら歩き、水面を歩くシカの神様が見えてしまう。
私 ”ねえ。怖い。帰ろ。”
ささっと引き上げる。
友人 ”いいよ。今何時?”
時計をみると、5:45PM。
そこで一気に現実に戻る。
やべ!!Zipcar6時までしか予約してない。
が、延長するにも携帯が圏外。。。
以前私は、Zipcarを予約時間外まで気づかず延滞してしまい、自動でドアをロックされた為、車から閉め出された事があった。
もし今回も自動でロックがかかった場合、電話してロックを解除してもらわない事には、車に入れないんじゃ。。。。
だがまさかのKE N GA I。
やばいぞ。こんな山奥で登山者も私たちしかいないし。。
フリーウェイからトレイルの入り口まで、たしか10分ほど車を走らせて山を登った記憶がある。。。
ああ。かなりやばい。
友人は私たちが危機的状況にいることを知らず、のんきに写真を撮っている。
よし!!!とりあえず、黙っておこう。
こんな山奥、車のGPSも届かないから、車がロックされる事はないだろうし。。。
たぶん。。。
彼女の携帯に電波が入るかもだし。
たぶん。。。
そしたらなんとかなる。
たぶん。。。
友人に隠しつつ、一人で焦っている私はテレビに出演する三谷幸喜。
額には脂汗、背中を冷や汗が流れる。
今は車まで戻る事に集中しよう。とりあえず歩こう。
今まで散々人生のピンチを乗り越えて来た。
問題解決を後回しにすると決める瞬間、その問題自体を忘れる事が出来るのは私の特技である。
30分ほどで下山する間も、また喋り続け車の事はすっかり忘れる私。
だが、トレイルの入り口に戻り、車を見た瞬間、また問題があった事を思い出す。
ついに友人に告白する。
私 ”実はさあ。車の予約期限が過ぎてて、ドアをロックされてる可能性があるんだよね。。”
友人 ”ええええ。”
恐る恐る、車のドアを引く。
私 ”なんだ。余裕じゃん。”
車のドアは楽勝で開く。が、なんと。
イグニッションキーを回すが、エンジンがかからない。。。
ちーーーーん。
携帯を覗くが圏外。
がびーーーん。
これはピンチ。
もしここから徒歩でフリーウェイまで下山したとして、約1時間。
フリーウェイで誰かをヒッチハイクし、電波のあるところまで連れて行ってもらい、そこからZipcarに電話しロックを解除してもらい、また車のところまで誰かに連れて行ってもらって。。。。
と、パニックの状態で最悪の事態を想像する。
友人 ”ねえねえ、私、携帯、電波あるよ。しかも電話も出来るよ。”
ま血、友よ、君は神。あの湖の水面を歩くのは君だったんだね。
Zipcarに電話をし、延長手続きをとり、無事ロックを解除してもらう。
フリーウェイまでの下山道を走りながら、この距離を徒歩で下山すると想像すると、ぞっとする私であった。
つづく。
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山の中で自分がどこにいるか解らない。
悲惨である。
頼みの綱の携帯。まさかの圏外。
友人 ”ちょっと待った。私の携帯ネット繋がるかも。”
ごちょごちょ携帯をいじる友人。
友人 ”ほらね。”
げろ。なんとちゃんと三本以上立っている。
さすが日本の携帯。と思いきや彼女が握っているのはIPHONE。
なんでだ?
マップで目的地を調べると40分ほどシアトル方面に戻るはめになる。
どっかこの辺でちゃちゃっと行けるトレイルがないのか?と調べるがふと思い出す。
私が目的地に選んだトレイルはうちの会社の社長が行けと言った場所であった。
もし社長に ”迷って結局他のトレイルに行きました。”
と後々報告した場合、業務命令に逆らった罰として私のクビが危ない。。。
やはり社長おススメのトレイルに何としてでも行く事にする。
会社に忠実過ぎて自分でもたまに嫌になる私である。
40分ほどシアトル方面に走り、友人の携帯のナビを頼りに目的地までつく。
時刻は4:30PM。
薄暗い森林の入り口に立つと、少し怖くなって後ずさりしてしまう。
友人は横で掲示板に貼ってあった地図の写真を撮り、トレイルの行き先をチェックしている。
明らかに、私の事を信用していないようである。
とりあえず、うだうだ言っていてもしょうがないので、ハイキング開始。
どんどん山を登って行く。
登っている最中も相変わらず、話し続ける。
仕事の事。結婚の事。共通の友人の噂話(悪口ではない)。彼女の今までの海外旅行の話。
よく話題が尽きないものである。
あっという間に1時間弱で、ゴールの湖に着く。
レークタパス
第一印象。
なんか。。。怖い。。。
静かすぎる。静か過ぎて雨が水面を打つ音が聞こえて来る。
もののけ姫の神様が水に吸い寄せられて来るシーンを思い出し、さらに怖くなる。
私は映像力に関しては、人一番才能がある。
ひとたび、目に”もののけ姫レンズ”入ってしまうと、現実の景色がアニメの世界とドックングしてしまう。
湿った土を歩くたびに、目の前にはこだまが目の前をおしりをプリプリさせながら歩き、水面を歩くシカの神様が見えてしまう。
私 ”ねえ。怖い。帰ろ。”
ささっと引き上げる。
友人 ”いいよ。今何時?”
時計をみると、5:45PM。
そこで一気に現実に戻る。
やべ!!Zipcar6時までしか予約してない。
が、延長するにも携帯が圏外。。。
以前私は、Zipcarを予約時間外まで気づかず延滞してしまい、自動でドアをロックされた為、車から閉め出された事があった。
もし今回も自動でロックがかかった場合、電話してロックを解除してもらわない事には、車に入れないんじゃ。。。。
だがまさかのKE N GA I。
やばいぞ。こんな山奥で登山者も私たちしかいないし。。
フリーウェイからトレイルの入り口まで、たしか10分ほど車を走らせて山を登った記憶がある。。。
ああ。かなりやばい。
友人は私たちが危機的状況にいることを知らず、のんきに写真を撮っている。
よし!!!とりあえず、黙っておこう。
こんな山奥、車のGPSも届かないから、車がロックされる事はないだろうし。。。
たぶん。。。
彼女の携帯に電波が入るかもだし。
たぶん。。。
そしたらなんとかなる。
たぶん。。。
友人に隠しつつ、一人で焦っている私はテレビに出演する三谷幸喜。
額には脂汗、背中を冷や汗が流れる。
今は車まで戻る事に集中しよう。とりあえず歩こう。
今まで散々人生のピンチを乗り越えて来た。
問題解決を後回しにすると決める瞬間、その問題自体を忘れる事が出来るのは私の特技である。
30分ほどで下山する間も、また喋り続け車の事はすっかり忘れる私。
だが、トレイルの入り口に戻り、車を見た瞬間、また問題があった事を思い出す。
ついに友人に告白する。
私 ”実はさあ。車の予約期限が過ぎてて、ドアをロックされてる可能性があるんだよね。。”
友人 ”ええええ。”
恐る恐る、車のドアを引く。
私 ”なんだ。余裕じゃん。”
車のドアは楽勝で開く。が、なんと。
イグニッションキーを回すが、エンジンがかからない。。。
ちーーーーん。
携帯を覗くが圏外。
がびーーーん。
これはピンチ。
もしここから徒歩でフリーウェイまで下山したとして、約1時間。
フリーウェイで誰かをヒッチハイクし、電波のあるところまで連れて行ってもらい、そこからZipcarに電話しロックを解除してもらい、また車のところまで誰かに連れて行ってもらって。。。。
と、パニックの状態で最悪の事態を想像する。
友人 ”ねえねえ、私、携帯、電波あるよ。しかも電話も出来るよ。”
ま血、友よ、君は神。あの湖の水面を歩くのは君だったんだね。
Zipcarに電話をし、延長手続きをとり、無事ロックを解除してもらう。
フリーウェイまでの下山道を走りながら、この距離を徒歩で下山すると想像すると、ぞっとする私であった。
つづく。
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